福井県坂井市春江町にある「ゆりの里公園 ユリーム春江」では、春夏秋冬年中イルミネーションを行っています。
今回そんなゆりの里公園に新しいイルミネーションができました。
この記事では今回追加されたイルミネーションとライトアップについて、どんなものか魅力を記していきます。この記事を見て「行ってみようか」と思っていただければ幸いです。
今回の追加イルミネーションについて
神々しくライトアップされている鹿と、その下に輪のトンネルがあります。
これが今回追加されたイルミネーションの一つです。
このイルミネーションは、2021年7月21日から始まったもので、そのテーマはなんと私の大好きな地域の伝説を題材にしたイルミネーションだというのです。(伝説とイルミネーションのコラボとか最高か)
その伝説のテーマは「十郷用水 鳴鹿」伝説。
「 十郷用水 鳴鹿 」伝説とは、坂井平野の灌漑(かんがい)対策のために平安時代に作られたと伝わる、広範囲にできた用水とその経緯についての伝説です。
伝説については、二個下の「十郷用水 鳴鹿伝説」↓の枠で見ていきます。
イルミネーションを紹介
鹿の前には輪のトンネルが並んでいます。
トンネルやシカのライトアップは色が変わったり、演出が変わったりして長いこと見ていられます。
トンネル内はもちろん通ることができて、中の方で写真撮影をしている方もいました。
この七色の状態で撮るのもなかなか難しかったです。
なぜ、このパイプラインのようなものが輪状にとぎれとぎれに配置されているのか。
後で少し、「伝説」の枠で見て行こうと思います。
トンネルの西側は、何と水路を模した水の通路になっています。
ここも通ることができます。
子ども連れの方が多かったですね。靴のまま入ったらまず濡れるでしょう。ただ暗いのではだしで入って何か踏むのも怖いですし、クロックスとかサンダルを履いてくるのが良いかもしれませんね。
そしてこの水路を進むと、
トンネルの途中で、鹿様へと続く水と光の階段を登って、鹿様へ会いに行くという形になっています。
皆さん、鹿様のところで写真を撮っていました。
私が感動したのは、この形が完全に「十郷用水鳴鹿」伝説を再現しているということなのです。
次の欄は伝説についてのことを記すので、イルミネーションの基本情報を見たい方はこちらから飛ばしてください。しかし、伝説を知れば今回のイルミネーションをもっと楽しめると思います。
十郷用水 鳴鹿伝説
この欄は主に今回のイルミネーションのテーマとなっている「十郷用水 鳴鹿」伝説についてみていきます。
伝説を見ればイルミネーションがなぜあの形になっているのかが少しわかります。
先に少し述べましたが、この「十郷用水 鳴鹿」伝説は、坂井平野の水路づくりに関する伝説です。
この十郷用水が作られた経緯に関してはいくつか説があるようです。
一つは、興福寺の荘園に水を持ってくるために作られたという説。
昔の坂井平野には用水がなかったようです。荘園という上級のものの為に作られたという説ですね。その恩恵(水)を周辺の田畑に注いだということなのでしょう。
余談ですが、興福寺の荘園と言えば、以前「淵竜の池」で紹介した兵庫地区も興福寺の荘園でしたね。「下兵庫こうふく駅」の「こうふく」もこの興福寺からとっているらしいです。
淵竜の池の横にあった春日神社にも鹿の像がありました。その説明には十郷用水のことが書かれています。鹿は春日明神の使いですからね。
それで、二つ目の説が今回紹介する伝説です。
1つ目の荘園説と同じように、やはり昔はこの坂井平野に用水がなかったようです。なので、日照りが続くとすぐに作物が枯れてしまい、収穫ができない状態になってしまったそうです。
昔、夕暮れに百姓が仕事をしていると一匹の鹿が現れました。その鹿は「ついてこい」というような仕草をしたので、百姓は不思議に思いついていきました。その鹿はたびたび振り返り、ちゃんとついてきているか確かめながら進んでいきました。百姓は家からもだんだん遠くなり、不安になってきたので、道に印を付けながらついていきました。 参考:『越前若狭の伝説』 |
坂井平野の集落や町には、いたる所に春日神社があります。
先ほど記した兵庫地区の春日神社もそうです。鹿は春日明神の使いなので、この十郷用水の鳴鹿伝説に関連する春日神社も多いのでしょう。
それほど、この坂井平野の人々にとっては救世主的な存在だったのかもしれません。
この伝説を知ったうえで、ゆりの里のイルミネーションを見てみると、まさにその通りに再現されていることがわかります。
まあ、ここから私の考えすぎかもしれませんが、少々お付き合いください。
イルミネーション | 伝説 |
---|---|
普通のパイプラインのトンネルではなく輪がとぎれとぎれのトンネル | 百姓が迷わないようにつけて行った印 |
トンネル内にある水路 | 印を元に作った用水 |
水路と水の階段の先にいる鹿の像 | 百姓を先導し先を歩いた鹿 その歩いた道が用水になる |
鹿に向かって続く道に沿って歩いていく | 鹿のあとについていく(鹿に向かって歩く) |
鹿の像が丘の上にいる | 鹿を先頭に百姓は川下から川上へ歩いた 最後、鹿の鳴き声が山に響く |
私の考え方、こじつけ感ひどいでしょうか?
でも、意外と伝説通りの形になっていると思ったんですよね。
この伝説を知っていると、そのように見えて仕方ないです。
基本情報
さて、長々と紹介しましたがここからはイルミネーションの基本情報を記していきます。
実際に訪れるときは公式ホームページや、市のサイトで事前の確認を行ってください。
時間 | 17:30~21:30(日没から21:30まで) |
開催期間 | 休園日以外毎日。春夏秋冬年中 |
料金・入場料 | 無料 |
休園・休館日 | 基本毎週火曜日(カレンダーは公式サイトにあります。必ず確認ください) |
アクセスは、車からじゃないといけません。鉄道路線からだとかなり遠いです。一番近い所でも、えちぜん鉄道の「西長田ゆりの里」で、直線距離でもおよそ1.7キロメートルあります。
バスはコミュニティーバスしかないです。地域用のバスなので、土日祝日は運行していなく、平日でも1日数便しかないのでバスを使うことはおそらくできません。
なので、自動車でしかここへはアクセスできない状態です。県道10号線からゆりの里の看板が見えます。夜だとゆりの里の灯りがわかりやすいので見つけられると思います。ただ、田園と住宅街なので、特段交差点の目印はなく、看板をいかに見逃さないかです。
伝説を見事に再現したイルミネーションだった
というわけで、ゆりの里公園の十郷用水の鳴鹿伝説に因んだ新しいイルミネーションでした。
今まで冬にはイルミネーションがありましたが、あの田園地帯にあんなに素晴らしいイルミネーションスポットができたということはすごいです。
また冬は冬で素晴らしいイルミネーションとなっていますし、常設している北側のイルミネーションも良い所なので、併せて見てみると面白いと思います。
それにしても今回のイルミネーション、なぜあんなに大きな鹿の像が建てられたのか。なぜあそこまで神々しくライトアップされているのかが、伝説を見てみるとよくわかります。
今回のイルミネーションは、ただの癒しの為だけではなくて、本当にこの地域の伝説歴史をも伝えるものなんじゃないかなと思いました。
また、鹿のライトアップ以外にも新しい体感型のイルミネーションの施設が出来ているようなので、そちらも探してみると良いと思います。
年中やっているので、一度行ってみてほしいです。
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