火霊神社と弥勒様 ~北兵庫の荒ぶる神【坂井市】

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福井県坂井市の兵庫地区に北兵庫という地域があります。

その北兵庫には、昔から崇められている荒ぶる神「火霊神社(読み方は「かれいじんじゃ」)」が鎮座しているのです。

今回その神について、いろいろ調べ現地へ赴きましたので、どんな神様なのかや祀られる神についての由緒、地域の言い伝え、そしてこの神社に訪れる際の注意点などを記しました。

火霊神社とはどんな場所か

火霊神社へ参拝

北兵庫

火霊神社があるのは、下兵庫地区の北側にある北兵庫という区域です。

この北兵庫は、口や歯にご利益があるという「歯臭除減地蔵菩薩」がいたりもします。

そんな地蔵さんがいらっしゃる集落から少し離れた所。

鉄道路線のすぐそば、田んぼと道の中に林が見えます。その林が火霊神社です。

火霊神社

俗に「みろく様」と呼ばれていて、火の神を祀っています

広い道沿いにあり、正面入り口もその道沿いなので非常にわかりやすいです。ただWEB上にあるマップには載っていないので、事前に知っておかなければあることすらわからないかもしれません。

境内は整備されており、大木もあります。

火霊神社社殿

社殿はガラスの囲いでおおわれています。

正面から扉を開けて、ガラス囲いの中までは入ることができます。そこでお参りします。

それよりも中は見ることができません。

歴史や由緒

祭神弥勒菩薩、十一面観音、不動明王
創建不詳。しかし、神社由緒によると、大善寺1595年に開眼供養とあるようで、1597年頃に創建と推測されるといいます。

基本的に仏教系の御神体がメインのようですね。大善寺が開眼供養をおこなったこともあり、この火霊神社は大善寺の管理下だったのかもしれません。

同じ下兵庫の大森にも大善寺が開眼供養した石仏があります。

この地域では、大善寺というお寺はかなりの勢力を誇っていたのかもしれません。

昭和になると、ここら一帯の土地改良事業が始まりました。その際に火霊神社もその対象になったようで現在の姿になりました。昔は今より少し南にあったみたいで、境内ももっと広かったようです。

以前紹介した石動神も土地改良で社地をなくしています。

しかし火霊神社は社地を移動しているだけなので、現在でもその姿を見ることができます。

境内祠

火霊神社には境内に祠が2つありました。

神社の由緒によると、それぞれ「稲荷堂」「隠居堂」があるようです。しかし、どちらの祠にも何も書いていません。一体どちらが稲荷堂で隠居堂なのかわかりません。

稲荷?隠居?1

境内参道脇に新しめの祠が一つ。

かなり最近作られたようです。由緒には「旧隠居堂」という記述があったので、ひょっとすると「新隠居堂」なのかも。

 

稲荷?隠居?2

火霊神社社殿横に少し年期の入った祠が一つ。そして灯籠の方も古そう。

文献『ふるさと兵庫』には、

別石堂にはお稲荷様が祀ってあります。

と書かれています。

この文献には「隠居堂」のことが書かれていません。ちょうど旧隠居堂が無くなり、新隠居堂が作られる前の時期に作られた文献だとしたら、やはり写真の新しい祠が隠居堂で、少し古めの祠が稲荷堂でしょうか。

稲荷堂の記述のある文献の同ページに載っていた写真にも、社殿横の同じ位置に祠がありました。この配置から見るにやはりその考え方であっているような気はします。(あくまで推測ですが)

 

隠居堂の方には木片が祀られているといいます。

なぜ木片が祀られているのか、何とも不思議ですが、『新修坂井町誌』によると

木片が祀られている神社の多くは、神社や寺にあった木像が火災で焼けてしまった際、その破片が祀られたもの

という考え方のようで、何とも理にかなっている結論です。

荒ぶる神の言い伝えと禁忌

ついにここからが本題です。

今までの由緒を見ると、普通に集落から守り継がれてきた神社に思えます。実際そうではあるのですが、この神社はただそれだけではなく、畏れられてきた神社でもあります。

正月の言い伝え

まず元旦の御開帳に関する伝説があります。

毎年元旦に午前0時(午前3時・除夜の鐘が鳴り始めて)から御開帳が行われ、午前5時(夜が明ける前)に戸を閉めます。もしこの戸を閉める時間が遅れると、北兵庫が火災に遭うと伝えられるのです。

異色の参拝と言っても良いと思います。

夜明けまでに閉めないと、北兵庫が焼けるとは何とも荒々しい神様です。こんな言い伝えがあったら、いくら現代でも畏れてしまって決まりを守ろうとしますね。

参拝に関しての注意点(禁忌)

そしてもう一つ、そんな荒々しい神様が祀られている神社らしい、厳しい禁忌があります。

それは参拝に関する注意で、私たち一般の参拝者にも関わるものなので、この神社に訪れる際には知っておきたいものです。

あまり由緒書きなどは載せたくないですが、この神社に関してはここまで畏れ多い(失礼かもしれませんが、油断するとあぶない)神社なので、もう注意書きを載せておきます。

火霊神社由緒

参拝の際の注意点は以下です。

  • 不幸の場所へ参加した者は境内に1週間入らないこと。
  • 「おめでた」または「不幸」のあった家の者は1ヵ月間境内に入らないこと。

どうも親しいものの「生死」に関わる何かがあった人に厳しいようですね。

元旦に戸を閉めるのが遅くなると集落を焼くくらいの神様なので、この定めは守った方が良いと思います。内容を見ると自分に降りかかってきそうな感じがあります。

畏れ崇められる地域の神

北兵庫に鎮座する荒ぶる神、火霊神社の弥勒様

集落から離れて鎮座しているのも、そんな荒ぶる神を畏れ崇め祀っている証拠かもしれませんね。

しかし、土地改良や道路の整備など、地域の歴史の転換などで神社の移動や土地の分割に何度も遭いながらも、今日まで神社が続いているというのは、やはり地元の人がそれほど崇敬しているからでしょう。

神社の言い伝えも、確かに内容が大ごとであるというのもありますが、現代まで伝わってきているというのはありがたいことです。

今後も、このすばらしい伝説や言い伝えと共に神社の伝統的な歴史が続いていくことを願います。

参考文献:『ふるさと兵庫』『福井県の伝説』『新修坂井町誌』『坂井町誌』

アクセス

最寄り駅は、えちぜん鉄道三国線下兵庫こうふく駅から徒歩11分

駐車場はありませんが、神社の前に少しスペースがあります。東進行方向であれば停められるかもしれません。

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