【勝山市】谷の牛首道と「しゃかの木」の言い伝え

福井県勝山市北谷町の谷集落に今回の目的のお話が伝わっています。

有名ではないですが、なかなか興味のある話だったので、その言い伝えの一部に出てくる「牛首道」を実際に訪れたので、その時の写真と共に言い伝えを紹介し考えて行きたいと思います。

しゃかの木のあった谷集落

しゃかの木が伝わるのは、北谷町谷です。

勝山の北谷という地区で、勝山の北東の山の中にある集落です。

谷といえば、「谷のお面様祭り」「谷のはやし込み」で有名な集落です。

私は「谷のお面さん祭り」に参加しましたので、その記事もあります。

そんな伝統的な文化もある谷のが谷集落なのです。

牛首道の入口

牛首道と説明板。ここが牛首道から来た場合の、現在の谷集落の入口です。

石畳の道で、すごく歴史を感じる古道です。
ただ、もの凄く滑ります。お気をつけて・・・。

しゃかの木

「しゃかの木」の言い伝え

 いまこの木はありませんが、もと牛首道にあったそうです。大きな桶を背負った鬼が、あまめを取りに来るが、この木があったおかげでこの村へは入って来なかったといいます。

参考:『勝山市史』

このしゃかの木の本質、それは「あまめ」を取りに来る鬼の話だったのですね。

その鬼が入らないように、村を護っていたのが「しゃかの木」だったということです。ただそのしゃかの木はもうないとのことで、どこにあったのかもわからないようです。

ただ、この話は『勝山市史』以外では見たことないので、本当にあったかは微妙な所ではあります。

この「あまめ」を撮りに来る鬼という言い伝えは、いろんな地方でも言い伝えがありますね。

次はこの話について見てみましょう。

あまめを取る鬼

「あまめ」とは

この「あまめ」とは方言によっても意味は異なってきますが、一般的にはおそらく、温熱性紅斑(火だこ)のことでしょう。

能登では「あまめはぎ」なる風習があり、そこでいう「あまめ」は、囲炉裏の前に長時間いるとできる温熱性紅斑(火だこ)のこと。つまりは怠けの証拠とされるそうです。

その怠けの証を取りに来るというのが鬼です。

鬼とは

つまり、しゃかの木で村に入って来ない鬼は、その「怠けの象徴」である「あまめ」を取りに来ていたというわけです。

さて、このような話は他の地域でも多く伝承として残っています。

もっとも有名なのは男鹿「なまはげ」でしょう。語源は「ナモミ剥ぎ」。この「ナモミ」が「あまめ」と同じ温熱性紅斑(火だこ)のこと。これをなまはげが持っている包丁で剥ぎ取るので「なまはげ」というそうです。

この「なまはげ」と同じルーツということだと考えます。

怠けていると鬼が来てしまう。

つまりは「怠け者の証=火だこ」を鬼が取りに来る怠けを戒める風習というわけです。

谷にとっての「鬼」

他地域ではありがたいとされている、この火だこを取る「鬼」たちですが、谷では恐れられる存在なのでしょうか。

いろいろ探しましたが、私が探した限りでは先ほども書いた通り『勝山市史』にしか見られない話でした。

ここで、あまめを取る鬼が入って来なかったのは、良いことか悪いことかは書かれていません。

ただ一般的に「鬼」は恐れられる存在ですし、村に鬼が入って来なかったのは良いことであり、この「しゃかの木」が村を守っていたということなのでしょう。

現在の牛首道の様子

牛首道は現在も残っています。石畳が敷かれ、谷集落からひとたび出ると、森の中をずっと道が続いています。

このどこかにしゃかの木があったのでしょう。


白峯方面から、谷へ入る目線です。

いいですね。石畳と集落の入口感。まさに古道という感じです。

ちなみに左に見えている岩みたいなものは、木です。こんな古木が今でも残っています。

おわりに

というわけで、今回は鬼から村を守っていたしゃかの木の話でした。

今では、そのしゃかの木はなくなってしまったようですが、もし法統に昔あったとしたら、村の守り神として慕われていたことでしょう。

そんな木を想いつつ、この牛首道の古道に少し足を踏み入れて眺めてみるのも良いかもしれません。

基本情報

アクセス(行き方)、国道157号線から県道135号線へ。道中に谷集落あり。

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