北谷町谷のお面さん祭りと伊良神社の神事に参加【勝山市】

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福井県勝山市の伝統的な祭りに「お面さん祭り」というものがあります。

その一つが、毎年2月16日に近い土曜日にある、北谷町谷の「谷のお面さん祭り」です。

今回は、そのお面様祭りに参加して来たので、その様子やどんな祭りなのかを時系列で紹介していきます。山間の集落ではありますが、祭りは非常に賑やかなので、気になっている方がいればこの記事でどんなものか見てみてください。

また、「谷のお面様」についても見て行きますので、由緒を知っておくのも良いと思います。

お面様御開帳まで

谷集落訪問

2月15日。私は午前9時くらいに現地へ到着しました。

谷集落1

谷集落ではすでに祭りの準備がしてありました。

雪だるまにお面が飾られています。お面様祭りを思わせるものです。

写真では雪が少ないですが、北谷の地は豪雪地帯なので、例年は1メートルから2メートルの積雪は余裕であります。なので、来る際には気を付けなければいけません。

谷教会

集落の中ほどに、お寺があります。

お面様祭りはそのお寺で行われます。

谷教会

冬の間は雪囲いがされていて全容は見えませんが、古い建物です。

『越前北谷物語』によりますと、「谷説教所」というそうです。

この北谷町には独立した「寺院」というものがなく、集落ごとに「道場」があります。しかし、この「谷説教所」だけは住職がいたこともあって、寺院として扱われているそうです。

 

外で準備している方に話を聞いたところ、皆さん「お寺」と言っていました。今はお寺とよばれているようです。

お面さん

このお寺の中では祭りの食事の準備が進められていました。

お寺の真ん中には囲炉裏があり、昔ながらの村の集会所という感じです。ただ今皆さんは祭り前の準備をしているので、邪魔にならないようにします。

御開帳

午前11時

お面様が御開帳になりました。

お面様

お寺内の一角にお面様御開帳。お賽銭を入れお参り。

供え物沢山です。

御開帳の際は、何か儀式や神事を行うこともなく、皆さん祭りの準備の合間に、個々が順次お参りしていました。私のような外部の方も多く、そういった方たちも、特にお参りの順番に決まりなどなく、自由にお参りをしていきます

ではここでお面様祭りについて、詳しく知っておこうと思います。

谷のお面さん祭り

お面様について

 面は天文七年のものといわれて、もと十四面あったが、平泉寺僧兵がきて七面を持って行ったといいます。その後、丹後から来た乳母が三面取って行ってしまい、残りがこの四面といわれています。一説によると、面は泰澄大師の作で七面あったうち柴田勝家に三面を焼かれたともいうそうです。

参考:『勝山市史』『大野郡誌下編』

あ、あれ・・・?なんか、由緒が変です。

たしか、滝波側のお面さんの由緒では平泉寺焼き討ちの時に小原の人が、平泉寺から七面もってきた後に川に捨てて、それを谷の人が4面拾って、滝波の人が3面拾ったっていう話だったと思うのですが・・・。

「滝波」についての記述もないですし、不可思議です。地域によって伝説が違うのでしょうか。

しかしながら、このお面様について谷の方に話を聞いたところ、滝波のお面さん祭りとの結びつきは強いらしく、滝波のお面様の方の話題も出ていました滝波の方から来ている人もいました

郷土史とこの状況を見比べてみると、資料と現実が必ずしも一致しないというのがわかります。ただ、滝波と谷の結びつきがあるということが知れたのはうれしかったです。

 

このお面様の由緒の謎として、1912年の『大野郡誌』では以下のようなことも書かれていました。言葉が難しいので、箇条書きでまとめます。

  • 泰澄の作でないことは確かだといっている。
  • 平泉寺焼き討ちの戦利品という記述がある。
  • 寺の縁起に小原の人の記述がある。

つまりは、やはり平泉寺焼き討ちの際の戦利品である可能性が高いようですね。

ただ今は、「平泉寺焼き討ちの戦利品で滝波と谷の併せて7面」という考えが自然だとされているようですね。

この『大野郡誌』書いている人も考察で、「平泉寺の戦利品」と言っていますし、谷のお面様祭りで無料でもらえる説明書もそう書いてありました。

地域によって伝説が変わるのは仕方のないことですし、この違いを照らし合わせて見ていくのも伝承伝説の醍醐味です。

祭りについて

お面様2

お面様のことがだいたい分かったところで、続いては「お面様の祭り」についてみて行きます。

大野郡誌では「谷仮面祭」という項目で記されています。

 毎年旧正月1月16日(現在の2月16日)、区長宅で区民に拝観させておみきをだします。明治三十九年九月に箱を新調した。お面は四つとも金屏風にかけ、その前に三宝の上に供え物を置きます。

参考:『勝山市史』『大野郡誌下編』

金屏風に供え物。まさにその通りの光景です。

昔は区長の宅でやっていたのですね。今ではお寺でやっていますから、時代と共に変化するにしても、こういった時代にあわせた変化はよいことだと思います。

お寺なら気兼ねなく、一般の方も参拝できますからね。

昼食の様子

お面様と共に食べる

12時昼食の時間、お寺のお面様の会場で大勢の人で昼食を食べます。

お面さん2

とても人が多くてにぎやかです。

お面様の前での食事というのも、これまた良い物です。滝波のお面様祭りでもありましたが、「神と共に食べる」ということが大変重要視されているように思います。

端っこで写真ばかり撮っていたら、一緒に食事に誘っていただきまして、ものすごく食べてしまいました。祭りっていいなぁ。と思います。

それに、この地域の食べ物が沢山でしたね。見たことない料理が多かったです。

人が多くて賑やかなのは…

こんなにも人が多いのは、都会の方から大学生の方たちが交流みたいな感じで何日か来られてるみたいです。祭りの手伝いや、田舎の暮らしや雪国ならではの生活などを体験しているようです。

なので、この時点では私のように当日飛び込みの参加者は数人程度しかいませんでした。夕方くらいに、勝山の街の方から一般の参加がくるらしく、一番盛り上がるようです。

伊良神社での神事

午後1時から、伊良神社のほうで神事が行われます。

伊良神社

この伊良神社までの道にも雪だるまが作られていて道が出来ていました。

神事には大学生の方たちも参加し、区長や関係者、神主が参加します。

伊良神社神事

神社の中はそれほど広くないので、中には関係者が参列し、私たちは外で見ていました。

ここでは厳格に神事が執り行われました。ここからが祭りの始まりといった感じです。


この写真ですが、「もっと前に行って撮ってきなさい」と、優しく気を使ってくださって撮ることができました。

本当にありがとうございます。

なんでこんなにしてくださるんでしょう。やさしさに慣れない私は、いちいち感動してます。

午後の祭りの準備

神事が終わった後はまたしばらく、午後の祭りの準備に取り掛かっていました。

私は、今一度お寺に戻って暖まります。


この後ですが、午後5時から外部の方を乗せたバスがやってきて、午後7時までが一番盛り上がる時間なのだと教えていただきました。

毎年20人から40人くらいが来てにぎやかだそうです。

というわけで、その方たちを迎える準備をするわけですが、私も手伝うことになりました

午前中の最初から来ているし、現地に方ともいろいろお話して、しかも飛び入りなのに昼食や神事にも参加させていただいて、断る理由がないでしょう!!

もちろん手伝いますよ。

お面さん祭りのメインの時間

バスから大勢の参加者

午後5時からは、外部の参加者がバス出来て、更ににぎやかになります。

バスが到着。お出迎えします。

お迎え

このお出迎えに私も参加していました。その最中に撮った写真です。

外部の飛び入りの人間がお出迎えするのも変な感じですが、もうこの際は気にしません。

ちなみにこの街の方からの参加者についてですが、毎年ツアーのような形で応募しているようで、今回は当初20人くらいの参加者を募って、小さいバスの団体で来ると言っていたらしいのですが、40名という人数が倍近くなったので急きょ普通のバスを手配したらしいです。

毎年ツアーのような形で応募しているようで、それくらい魅力的な祭りということでしょう。

祭りの始まり

お面さん祭り本番

谷のお寺を人で埋め尽くしています。

本当に田舎の集落なんです。電気もほとんどないような山の中の集落なんです。そんな集落の祭りに、これほどの人が集まるのです。

役員さんや区長さんのご挨拶の後、お面様と一緒に夕食を食べます

もの凄くにぎやかです。

この山奥の集落に、にぎやかな人の声が響きます。

食事

料理

振舞われている料理です。撮らせていただきました。

お寺の入口に、この地域の料理が入った弁当も売っていたので、私はそれを買って、一緒に座わって食べました。

ツアーでなくとも、そうやって弁当も売っているので、場所があれば飛び入りでも参加できるのがうれしいし、楽しいし、おいしいです。

祭りのクライマックス

祭りはクライマックスです。

宴

余興が始まりました。会場の雰囲気は最高潮です。

楽しい音楽にのせて様々な芸を見せたり、お客さんにまんじゅうを振舞ったりとまさに地域の祭りの楽しみが詰まっています。

 

山奥の集落の夜、一つのお寺の中で、大勢の人々の話声、笑い声、歓声が響きました。

皆が楽しむこの時間。

これが、祭りなのです。

祭りの余韻

そんな祭りも、閉幕の時間です。

祭り終わり

外はすっかり暗闇。

灯籠や雪だるまの蝋燭が暗闇を灯します。

バスはスタンバイ。今回の祭りももう終わりです。

町から来た大勢の方たちも祭りの余韻を残し帰っていき、会場となったお寺の方もまだ祭りの余韻が残っています。


お見送りした後、私も今回お世話になった人にご挨拶をしてきました。

「また来なあかん」

といわれ、また来る決意もありました。

また来たい、そんなことを当然のように思わせる祭りでした。

受け継がれる山奥の祭り

というわけで、以上「谷のお面様祭り」でした。

今では人口が少なくなってしまった山間の集落で行われる祭り。

この記事を書いている今でも、耳の奥の方であの賑やかな声が残っています。

町からは40人以上の人が訪れ、毎年のようにこの祭りを慕って個人で来る方や手伝いに来る方もいました。都会の大学生も協力して、この集落で毎年このような賑やかで伝統的であり、大きな祭りが行われています。

人口減少が懸念される集落ですが、今後もこの伝統のある魅力的な祭りが続いていくように願わずにはいられません。

余韻

楽しくにぎやかだった時間と、暗い夜道を灯す雪だるまの灯り。

参考文献:『越前北谷物語』『勝山市史』『大野郡誌』

基本情報

日時、2月16日に近い土曜日。

お面様御開帳時間、午前11時。

伊良神社での神事、午後1時。

祭りのメイン時間、午後5時から午後7時。

アクセス(行き方)、国道157号線から県道135号線へ。道中に谷集落あり。

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