今回は福井県勝山市の平泉寺白山神社内にあるある人物の墓を紹介します。
それは「楠木正成」の墓です。
なぜこの人物の墓がこの場所にあるのか、伝説を見ながら現地の状態を見て行こうと思います。
楠木正成の墓の伝説
現地へ行けば説明もあるのでわかるのですが、伝説としても紹介できればと思います。
河内国(大阪府)の住人「楠正遠」の末子恵秀(えしゅう)律師は、越前の平泉寺に住んでいました。恵秀が平泉寺奥の院の白山権現(十一面観世音)の前に坐して行をしていると、兄の正成(まさしげ)がに武装した姿で、そのかたわらに立ちました。恵秀が、「どうして来たのか。」と問うと、「ふだらく(観音)の浄土であるから来た。」と答えて消えたそうです。 参考『越前若狭の伝説』 |
この伝説はなかなか深いものがあります。絆なんでしょうか。
会いに来るものなんですかね。
ちなみに、恵秀(えしゅう)律師は正成の甥という説もあるようですね。
(ここらへんは、昔のことすぎて、伝える人や伝えられた人の解釈でいろいろ変わってきてるんじゃないかと。)
しかし、こういった情のある話は好きです。それに、この伝説が形として確実に残っているというのも、伝説を感じ取ることができてすばらしいと思います。
というわけで、その伝説を目の当たりにしていきましょう。
現地訪問
楠正成の墓は奥の院の三ノ宮のかたわらにあります。
伝説内でも「恵秀が平泉寺奥の院の白山権現(十一面観世音)の前に坐して行をしていると、兄の正成(まさしげ)がに武装した姿で、そのかたわらに立った。」とあるので、今の位置に墓があるというのは、伝説通りです。
三ノ宮は平泉寺白山神社の参拝エリアの一番奥にあります。なので、いつ来てもほとんど人がいないです。
登山とまではいきませんが、かなり階段を登るのでそれなりに疲れます。
これが楠木正成の墓です。
ちゃんと標柱も立っています。
近くには説明板もあるので、現地でもこの話を知ることができます。
現地はかなり境内の奥で荘厳という言葉が似合う場所です。石の階段と、多くの杉の大木。もう自然の音しかしません。そこには三ノ宮と楠木正成の墓があるのみ。
こんな言い方おかしいかもしれませんが、張り詰めた空気はあまり感じられませんでした。どちらかというと穏やかです。
平泉寺白山神社に観光に来る人もおそらくあまりここまで来る人はいないでしょう。参道辺りは人がたくさんいても、だいたい白山神社の社を過ぎたあたりからほとんど人がいなくなります。
ほとんどの確率でこの空間を独り占めできます。(100%じゃないです)
ここに、正成の幻がたったと思うと、とてもわくわくします。
この伝説を知っているだけで、この墓の見え方も変わります。とても深い意味があり、ここに楠木正成の墓があったのですね。
意外な所にある有名人の墓の魅力
こういった有名人の墓が「なぜこんなところに?」という場所にあるのには、結構奥の深い面白い話があったりするのです。
他にも福井には歴史的有名人の墓があります。
今後もこういったものを見つけては訪問していきたいものです。
ちなみにこの平泉寺白山神社。雨の日でも素晴らしい場所です。むしろ雨の日の方が良いかもしれません。(土砂降りはさすがに危険なのでやめた方がいいです)
参考文献:『越前若狭の伝説』他由緒書き
基本情報
アクセスは、国道157号線から猪野交差点を東へ県道132号線に入ります。少し進み勝山城博物館を越えたあたりに多叉路の交差点(5方向の交差点)が現れます。平泉寺へ行く道は2つ。
・1つ目は、直線の林の中、菩提林に入る道です。ここをずっと直線で行くと着きます。細い道ですが一方通行です。この菩提林に入る前にも広場があります。模型と駐車場があり、ここから菩提林を歩いていくのもまた一興。ただすごく歩きます。
・2つ目は、5方向の交差点をセンターライン沿い、県道132号線沿いに進みます。その道をずーっとまっすぐ行くと、平泉寺のメインエリアまで行けて、第一、第二駐車場の看板が現れます。(こちらの方がメジャーのルートかと)
バスはえちぜん鉄道勝山駅から京福バス平泉寺神社前が出ています。
駐車場は、平泉寺のメインエリア周辺に4か所、菩提林前に1か所あります。上記アクセスの2つ目のルート沿いにある第一、第二駐車場が広いのでそこに停めるのが良いと思います。ただ、有料になっている場所もあるので、300円は用意した方が良いと思います。バスの駐車場は有料のようです。
平泉寺白山神社にはほかにも伝説が伝わっています。
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