北新在家のてんぐ松伝説【勝山市】

てんぐ松。

その名の通り、天狗がいるとされた松です。

今回は、そんな伝説が残るてんぐ松を求めて、勝山市荒土地区北新在家を訪問です。


まず、始めにどういった内容の伝説なのかを見てみましょう。

てんぐ松

 むかしこの村のおばあさんが、てんぐにだまされて姿を消した。村人全部あちこちにわかれて一晩中さがしましたが見つからず、あくる朝隣り村の火葬場にいる所を発見された。おばあさんは、きれいな御殿に住んでいたと話していた。
 この村のお宮には、三年前まで変わった形の松があり、てんぐ松といわれていた。村人はこわがって夜は近づく人もいなかった。雨の降る夜はお宮の方からドーンドーンという低い音はきこえる。いまの高校生もこの音を聞いたことがあるという。村人は、てんぐさんがさみしがって太鼓をたたいているのだといっている。今ではこの松も枯れて、てんぐの話をするものもだんだんなくなってきた。

『越前若狭の伝説』

という話です。

伝説や妖怪好きとしてはたまらん話です。

 

所在は北新在家のお宮と場所が絞られているので、その辺りを探せばよいのですが・・・、ただ、「村のお宮」とだけで、明確な名前がわかりません。北新在家にはたしかに一つだけ神社があります。

少名比古那神社です。

 

この「お宮」がその神社なのか定かではないですが、とにかく行ってみることにしました。


北新在家集落の北のはずれに、目立つ社叢があります。

北新在家てんぐ松1

ただ、なにか「天狗」にまつわる石柱や看板などないか探してみましたが、まったくもって痕跡がない、どうも解決できそうにないので、集落に行ってみました。

外にいらっしゃった方々にお話を聞くことが出来ました。


お話を聞くと、やはりあの「少名比古那神社」にてんぐ松があったそうです。

伝説でも

「今ではこの松も枯れて…」

とあります。

 

だいぶ前に切られたらしく、今は何も残っていないといいます。

北新在家てんぐ松2

話を聞いた方の、小さかった頃は

「お宮さんに近づくと天狗にさらわれる」

とよく言われたそうです。

 

北新在家てんぐ松3

 

その「てんぐ松」は鳥居の横にあったらしいです。

結構変わった形の松の木だったらしいですが、だいぶ前に伐られてしまったといいます。

 

今では本当に何も残っていません。

大きな切株みたいなのが地面に埋もれているような感じもしましたが、そうあってほしいという思い込みだったかもしれません。

 

北新在家てんぐ松6

境内には、現在は使えない遊具がありました。

天狗にさらわれるというもとで遊具。

 

少名比古那神社」。

社殿は斜めを向いています。ちょうど、北新在家集落の中心を向いているようです。

境内には銀杏や杉の大木があり、そうとう昔からの社と見えます。

 

しかし、松の木は一本もありません。

てんぐ松が唯一の松の木だったのでしょう。

 

北新在家てんぐ松9

集落でお話を聞いた方たちは、

「松が伐られたから天狗さんもどこかへいったしまった」

ともおっしゃっていました。どこか淋しい言葉にも聞こえました。

 

伝説にもある、

「雨の降る夜はお宮の方からドーンドーンという低い音はきこえる。いまの高校生もこの音を聞いたことがあるという。村人は、てんぐさんがさみしがって太鼓をたたいているのだといっている。」

という文もありますが、集落の方たちの「てんぐ」への思いは、悪いものではないように思えます。

 

鳥居のすぐそばには古めかしい遊具もありました。

 

集落の方たちはこの「てんぐ」を恐れながらも親しみを持っていたのかもしれません。


アクセスは、県道112号線から北新在家に向かいます

本当に村の神様なので、駐車場はありません。

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