福井県おおい町を丹後街道沿いに進んでいると、尾内区内に何かの石碑を見ることができます。
今回はその石碑についてみていきます。
どこにあるのか
おおい町尾内集落内を横切る丹後街道、その街道沿いの尾内最西端にその石碑はあります。
道路南側、山の麓の空き地に立っています。
何の違和感もなく建っていますので、見逃してしまう可能性もあります。
祖伝大和尚書碑
普通の長方形の石碑と違って頭がとんがった装飾がなされており不思議です。
台座にもちゃんと装飾。その下はコンクリートです。
この石碑、いったい何が書いてあるのか。何の石碑なのか。
現地で見ますが、彫られた文字はとても読めたものじゃないです。風化もしており、文字自体読みにくい。何か書かれているのはわかるので、現地だけでも詳しい方ならわかるのかもしれません。
ただ私は、わからないので郷土資料を見ていきます。
大正2年『本郷湊』という昔の郷土史兼観光本みたいなものに載っています。
祖傳大和尚書碑 尾内区妙見山麓に一基の碑あり南禅寺祖伝大和尚の筆を染めたもので「一佛道観見法界」とあり法華経より出づ碑面苔むし古色蒼然として掬すべきものである果して何が為の建碑か或は古昔より戦病死者の霊魂に菩提のためか又は経塚の類なるか尚側の地下には平家の落武者が鎧櫃(よろいびつ)を埋めありと伝うるも信じ難し 引用:『本郷湊』 |
一佛道観見法界
そうかかれているのだそうです。
「一仏成道、観見法界、草木国土、悉皆成仏」というものがあるらしく、そこから来たものなのかなとも思うのですが、法華経なのか?調べても法華経とは出てきませんでしたが・・・。それともこれとは別なのでしょうか。
素人の私にはこの碑文を調べるほど余計にわからなくなります。
何のための石碑かという点については3つ述べられていますね。
- この辺りの戦病死者の菩提
- 経塚
- 鎧櫃(鎧を入れておく箱)を埋めた場所
『本郷湊』の最後にも「信じ難し」と書いてある通り、あくまで伝説のようです。
鎧櫃はロマンがあります。
この石碑の後ろには、石塔が隠れるように置かれています。
ここから言えることは・・・、3つの可能性全部言えますね。もうわかりません。
若狭の街道沿いを楽しむ
いろいろと見てきて、なんとなくこの石碑についてはわかりましたが、その確実な理由まではわかりませんでした。しかし、3つの可能性があるというのもまた面白いものかと思います。それはそれで、謎のままにした方がいいとも思います。
若狭は、墓地でなくともこういった石塔や石碑が街道沿いや山の麓に多く存在しています。
そういったものが好きな方にとって若狭は、テーマパークみたいな場所だと思います。
街道沿いを歩くだけでも、たくさんの歴史的遺産が待っていますよ。
参考資料:『本郷湊』
基本情報(アクセス、最寄り駅)
最寄り駅は、JR若狭本郷駅から徒歩12分。
駐車場はありません。
道が狭いので路駐はやめましょう。
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