福井県福井市酒生地区の荒木新保足羽川堤防沿いの田園に大きな欅があります。その麓に祠が二つあり、石仏や石塔が置いてあります。
これが一体何なのか。調べます。
足羽川堤防沿いの大ケヤキ
足羽川の北側、国道158号線から見えるかもしれません。
大きな二つの木があり、その下に何かあるのが見えます。
二つの祠があるようで、何とも昔ながらの雰囲気のある場所です。
ただ堤防はそんなに昔からあったわけではないので移動してきたのかもしれません。
弁天さん
どうやら向こう側を向いているようです。
登ってみます。
二つの祠と石塔があります。
『酒生ふるさとかるた』という地区の紹介本のようなものに「けやきの木の下に水の神様 弁天さん」という題で載っていました。それによると、
ケヤキの大木は樹齢数百年のもので、根元の石仏は「弁天さん」と言われているといい、水の神として祀られているといいます。
昔この付近に川の渡しがあったようですが、氾濫で流れて集落は移住したといいます。
左の石祠にはまさに弁天さんらしい姿の石仏が祀られています。
右の木の祠にも古めかしい石仏が祀られています。
しかしこれは一体何の石仏なのでしょう。詳しくないのでわからないです・・・。
これも弁天さんなのでしょうか。
石祠「越前石龕」
左の祠の石は笏谷石製で、いわゆる「越前石龕」と呼ばれる祠の形態です。
昔ながらの祠ですね。
右の方の木の祠は、どうやら崩れてしまったのか木に建て替えられているようです。
祠の後ろにはもともと石祠の一部だったと思われるものが置かれていました。
こちらも元「越前石龕」だったのでしょう。
謎の石塔群
祠の他にも目につくのはこの謎の石塔群です。
祠の前や周りに置かれています。
梵字が刻まれて今でもわかるほどの物もあり、結構立派なものです。
先ほどの資料の弁天さんの所にこの石塔のことは書かれていませんでした。
一体何の石塔なんでしょうか。
最初はここで何かを弔ったのか?とも思ったのですが、今私が想像するに、この石塔はここにあったものではなく、この辺りのいたる所に散らばっていた物、または足羽川氾濫によって流されてきたもので、それをこの弁天さんと同じ場所で祀り始めたのではないかと思っています。
ここからほんの少し上流へ行くと、一乗谷付近です。一乗谷の戦いの供養のための石塔かもしれません。それが散らばっていたのか。それとも流れてきたのか。
それとも純粋にこの辺りの地区の供養塔で、区画整理土地改良・堤防建設の際に散らばっていたものを集めたのか。
いずれかではないかと思います。
なんにしてもいろいろ妄想捗る場所です。
歴史の息吹を感じます。
福井県の石杭
自分はマニアではないのでよくわかりませんが、「福井縣」と彫られてある石杭がありました。
三角点なのか水準点なのか境界杭なのか。何なのでしょう。
昔話のような
いろいろと詰まったこの一部の土地。
こう見るとなんだか昔話にでも出てきそうな気がします。
そういう風情を味わうのもまた良いものです。
参考文献
『酒生ふるさとかるた』
基本情報
最寄り駅 | JR越美北線越前東郷駅から18分 |
自動車 | 福井ICから6分 |
駐車場 | なし |
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