明鏡洞と天王山日本海展望台 ~城山公園観光①【高浜町】

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福井県嶺南地方若狭の観光地として有名な明鏡洞は、城山公園という嶺南屈指の観光地の一部です。

城山公園は、2つの海岸沿いの山、海岸、周辺の土地一帯を示します。

今回はこの2つある山のうちの天王山と明鏡洞を巡ります。明鏡洞という奇岩は景勝地であり、天王山は、日本海若狭湾展望台がある場所にもなります。

花見の特集は、桜や彼岸花などの名所・穴場のまとめ記事があります。

>>【福井県】桜の名所・花見スポット -有名から穴場まで情報一覧

>>【福井県】彼岸花の名所・穴場スポット一覧情報

>>【福井県】紫陽花の名所・穴場を紹介。梅雨の風物詩へ出かける

※当記事がそのページの場合があります。

意外と近くにも、名所や穴場があるかもしれません。

明鏡洞

奇岩景勝地

明鏡洞

奇岩景勝地「明鏡洞」

かなり有名だと思います。
山の形状や、岩に生えた木々、桜が景勝地としての格をあげています。波が穏やかであれば、水鏡もできそうですね。穴からはきれいに水平線の見えます。
手前の海岸は夏になると海水浴で泳いでいる方も多いです。というのも、私が立っている反対側が海水浴場なので、そのままこちらに来れるわけです。なので、この明鏡洞の海岸にも入る人がいるのですね。

『大飯郡誌』にはこのような記述があります。

明鏡ヶ洞は八穴の魁たり、天王山の一角断えんとして続き一大石橋を架すが如く、その橋下一大洞門を開き、之を通じて一髪の水天をも望む可く、殊に付近の高所より望遠すれば岩角に明鏡を懸くるのを奇観を呈せり、是れ此勝が小浜の蘇洞門と並称(否古来より以上に喧伝)さるる所以なる可し。
引用:『大飯郡誌』

同じく『大飯郡誌』には、足利義満なども訪れたとも書かれており、かなり古くから有名な場所らしいですね。

この明鏡洞は、今でこそ独立して特に取り上げられていますが、昔は明鏡洞単体ではなく、「八穴」の一つとして紹介されています。

実は現地にその碑があります。

八穴の勝

八穴の勝

正直、現地で見たって何事やらという感じで、特に説明も詳しく載っていないのですが、要はこの城山公園付近に明鏡洞と併せて8つの穴があるという事です。

  • 猩々ヶ洞
  • 蛭子洞
  • 外ヶ洞
  • 乙女ヶ銅
  • 鼓ヶ洞
  • 小洞
  • 大洞
  • 明鏡ヶ洞

『大飯郡誌』では、上記の8つが載っています。
昔はこの「八穴の勝」という形で景勝地になっていたようです。

ですがこの8つの穴は、海からしか見れないものもあり、すべて制覇するのは難しそうです。

謎のサザエの言い伝え

この明鏡洞には、不思議な伝説があります。

 昔、浄国寺の上人がいた。その上人はとても偉い方で、お経も素晴らしく、ひとたび山門を出れば、海からの無縁仏や亡者にすがられ救いを求められていた。
 そのような聖者のような上人の元に、お盆の前日、北浦の漁師が小浦(明鏡洞付近)で採ったサザエを上人に食べてもらおうと持ってきた。サザエを見た上人は突然経をあげ、漁師に言った。
「この中の一つは使者の亡霊である。私のお経欲しさにサザエとなって、私の元へやって来た。このサザエを小浦に返しなさい。」
漁師は、「言われる通りに致します」
上人は、「お前の小舟は仏を拾ったのでこれから大魚になる。亡者は今経を聞き喜んでいる。いい供養をしたのう。」
漁師は、「お上人様のおかげです。」
その後漁師はその一つのサザエを採った場所に戻した。
 翌朝、小浦に水死体が浮かんだ。上人の経をいただいて、海底に沈んでいた死体が姿を見せたのだった。水死体は上人の供養を受け、寺の無縁仏の墓地に葬られた。
 後にこの墓地に旅館が建ったが、怪しいことが起こり、いつの間にかつぶれたという。

参考:『若狭高浜のむかしばなし』

結構宗教色の強い伝説です。

偉い僧侶が死者の霊を救ったという話はどこにでもありますが、これもその類ですね。

ただそういう伝説が残るほど、この浄国寺が栄えていたのでしょう。

人魚伝説

若狭には小浜の八百比丘尼や高浜青郷村の人魚伝説など多くの人魚伝説がありますが、この明鏡洞にも人魚伝説が伝わっています。

人魚の流れ着いた明鏡洞
若狭伝説の随一八百比丘尼が人魚の肉を食べたために長寿を保ったといわれるが、高浜海岸の城山にある明鏡洞付近にむかし人魚が流れ着いたと伝えられ近くにその碑文石が建てられるという。
引用:『若狭の伝説』

若狭は人魚伝説の宝庫のようです。

ただしこの明鏡洞の人魚伝説にある「碑文石」というのはよくわかりません。現地でも見たことない(知らないだけかもしれない)ですし、『若狭の伝説』以外で見たこともありません。また、ネットで調べても出てきません。

この伝説は一体何なのか・・・。

しかしあの壮観な明鏡洞に人魚が流れ着いたという伝説が伝わっているというのは、なんだか納得してしまうというか、そういうこともあるかも、と思ってしまいます。

天王山

さて、明鏡洞のある城山公園の東側の山を「天王山」といいます。反対の西の山は俗に「高浜城址」といいます。この2つ合わせて「城山」や「城山公園」と呼ばれます。

今回は天王山の方をまわります。
天王山は掘り下げればかなりいろいろと歴史があるのです。

そんな天王山を一周してみようと思います。

謎の扉と桜

まず目を引くのが、この謎の扉。

謎のドア

そして美しい桜ですね。

もちろんこの扉はつい最近始めた物で、若狭の各地に存在するようになりました。
ただ、期間がわかりません。ずっとやっているものなのか・・・。

まあ、今回はこれが本題ではないので、「あった」という事だけで置いておきます。他の方もおそらく何かで発信していると思いますし・・・。

とにかく私はこの天王山を堪能するとします。

鳥居と恵美須神社

恵美須神社鳥居

天王山の南東に鳥居があります。

扁額がないので気になるところです。ここをまっすぐ行ってみます。

天王山道1

道は舗装されてはいませんが整備はされています。
写真は撮っていませんが、ここから海岸が見えてきれいです。

恵美須神社

すると神社がありました。名前も書いています。

恵美須神社」

祭神:事代主神、大国主神
『大飯郡誌』

この神社は海の方(東)を向いています。
すぐそこが海で、天王山の東端のようです。海から上がる階段と、灯籠がありました。昔は海から参詣していたのでしょうか。

天王山道2

そして、この神社正面向かって右には、急な階段がありました。
周回できるようですが、ここからさっきまでのゆとりのある遊歩道ではなく、それなりにうっそうとした場所に入るようです。

天王山道2

暗いです。ですが思った以上に道はちゃんとしていました。夏はきついかもしれません。

広場

しばらく歩くと広場とベンチがありました。さらに、もう一つの道と、

天王山展望台へ

登る階段がありました。
どうやらメインルートと合流したようです。とりあえず、階段を登って天王山上に行ってみましょう。

天王山展望台と日本海海岸展望

天王山展望台

展望台があります。

ここには、毎回どなたか2,3人はいます。相席して日本海を望むのです。

天王山日本海

日本海と言っても、展望台正面は東に向いているので、メインは若狭湾です。

それにしても展望がいいです。向こうに見えるのは、安土山、和田地区、大島半島ですね。海に浮かぶ島々もいい味出していると思います。

 

では、下ります。
先ほどの道とは逆方向です。むしろこっちが今のメインルートでしょう。他の方はこちらの道を使っています。(謎のドアがあった所から登る道です)

天王山西眺め

その道中には、西の方の海岸線を見ることができます。といっても、これは城山の海岸ですね。荒い岩肌が見ごたえあります。景勝地ですね。

天王山の昔、名前の由来など

天王山は高浜城址の城山の一部なので、それ関係の場所なのでしょうか。

『大飯郡誌』には、小字名「二の丸の内」と言うらしいですが、二の丸というわけではなさそうです。ただ、天王山にある平場が活用され、城跡の一部だったようです。

その他に

  • 北の丸と呼ばれ、東西117m、南北113mあった。
  • 碎導明神(佐伎治社)の旧地であるから「天王山」という名がある。
  • 逸見氏の塁があると伝えられる。
  • 風や波が強い時に、火を焚いて漁舟の目標とした場所。

など、昔からあらゆる意味で重要な土地だったようです。

そんなことを思いながら一周してみるのも良いかもしれませんね。

なんでも詰まっている場所

城山公園は本当にいろんなものが詰まっています。特に歴史と自然。

純粋に楽しめるこの場所を純粋に楽しむのも良し。
少し掘り下げて、深い由来まで知ってから楽しむのも良し。

個人的には、旅の〆としてくるのがおすすめな場所です。

参考資料
『大飯郡誌』
『高浜町誌』
『若狭高浜のむかしばなし』
『若狭の伝説』

次回は、西側の山に赴きます。

基本情報(アクセス、駐車場、最寄り駅)

最寄り駅は、JR小浜線若狭高浜駅から徒歩16分

自動車では、大飯高浜ICから8分。

駐車場は、20台ほどあります。(海水浴シーズンは有料になっていそうです。)

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