彌和神社の言い伝え「さいの神」神籬だけの神社の謎【小浜市】

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今回は、福井県小浜市にある「宮川」という地区の加茂に少し珍しい神社があるので、こちらを紹介します。

何が珍しいのかというと、この神社には社殿や拝殿、祠などが一切なく、神垣(神社の石垣)だけがある神社なのです。他の地域でもたまにありますが、福井県内では珍しいのではないでしょうか。

今回はそんな珍しい形の神社「彌和神社」を見て行きたいと思います。

神籬(ひもろぎ)の彌和神社

この彌和神社があるのは宮川村加茂の入口、西側の山の麓にあります。

県道219号線を通っていると、その道路沿いに「式内 彌和神社」という社標が現れます。

こちらが神垣だけの神社、「彌和神社」です。一瞬、社標があるのに神社らしきものがないので「???」となりますが、これが立派な神社です。

社殿も拝殿もない、ほんとうに神垣だけの神社です。また「彌和」という珍しい名前も気になりますね。

中央には榊?が置いてありました。神社とも関係の深い木ですね。まさに神籬(ひもろぎ)です。

 

では、この彌和神社という神社はいったいどういうものなのか。簡単に神社の概要を見ていきましょう。

彌和神社とは

大正11年の『若狭遠敷郡誌』にこの神社のことが書かれていました。それによると、

  • 神籬の形のみある
  • 国帳に従三位御和明神とある
  • 俗にさいの神と称される
  • 神名帳考證には彌和ノ神社、大己貴命とある

ということが書かれています。

神籬(ひもろぎ)のみというのは、昔からみたいですね。

というよりも、この「神籬(ひもろぎ)」というのが、実は日本の神社の原点の姿だという話もあります。日本は自然界に存在するそのものを神としてきましたから、祭事のときや遥拝のための場所として神籬が設置されたのです。

つまり、この彌和神社の形状は日本古来の神社の形状をそのまま伝えているということになります。

ということは、実際に神を祀っているのは、この山自体なのか?
そこまではわかりませんでした。

私は神籬というのは、神社以外の場所の神を下ろす場所のことだと勝手に思っていましたが、そういった意味もあったのですね。勉強になります。


また、この神社の「彌和」という字ですが、『若狭遠敷郡誌』にもあるように、昔は「御和」と書いたそうですね。確かにこちらの方が神社らしい文字です。この「みわ」というのは、「大神」とか「三輪」とかの神道関係の意味とも関わっているのでしょうかね。


そしてこの神社の神様は大己貴命、つまりは大国主がここの祭神なのでしょう

つまりは、「みわ」というのは大国主神の神社であるが故の名前だったのですね。


さいの神?というまた新しい名前ですが、この名前については次で説明します。

さいの神

この神社には、ある言い伝えがあります。今では考えられないのですが、民俗的な習慣と言ったところでしょうか。『越前若狭の伝説』で書かれています。 

 村人はこの弥和神社のことを「さい(歳)の神」とよんでいます。大歳彦明神を祭るため、この名の文字をとって、さいの神とよぶそうです。
 このさいの神の祭日に子どもを境内に捨てて、大戸の人に拾われると「めでたい」というので、子どもを捨てる人が多かったといわれています。拾われた子どもは、その家の子と名乗って毎年この神社の祭りには、必ず米2升(3.6リットル)と野菜を持って、拾ってくれた家へ行くことになっていました。

参考:『越前若狭の伝説』

これがさいの神の風習です。何とも昔らしい風習です。さすがに今はどうかわかりませんけど・・・。

それにしても、一つ気になる文がありましたね。

「大歳彦明神を祭る」

大歳彦明神とは・・・?
そう、この神も大物主神、いわゆる大国主神なのです。

この「彌和神社」の謎が解けてきました。

まとめ

では、この「彌和神社」をまとめてみましょう。

  • 神籬(ひもろぎ)だけの神社というのは、日本古来の形状を伝えるもの
  • 彌和神社の「みわ」というのは、祭神大国主神の三輪山や大神神社からくる「みわ」だろう
  • 村の俗称「さいの神」というのは、「大歳彦明神」つまりは大国主神のこと

 

これが、この彌和神社のあらましです。

ここはそんな歴史と風習のある地域と神社なんですね。でなければこの形で今に残っていないでしょうから。昔はそういうことが行われていてもおかしくないでしょう。感慨深いです。

こういう話を知っておいて現地を訪れると、また一味違う感情というか雰囲気になります。

周辺の見所

神社の横には地蔵さんのお堂がありました。あまり覚えてないけど、確か六地蔵だったかな。

神仏のある、神聖な場所なのですね。


この宮川地区は他にも多くの史跡や伝説があります。例えば、鵺を退治した「源頼政」の館跡があったり、「帯取らず」という悲しい話があったりします。この宮川地区だけでも一日堪能できそうです。

彌和神社のすぐ近くには、宮川地区の観光案内板もあります。これを見て観光するのも良いと思います。

深く探るととても重要な神社だった

一見、謎の雰囲気をかもし出す神社でしたが、しっかり見ていくと昔からの神社の形や風習を伝え守ってきた、とても重要な神社ということがわかりました。

この珍しい形と風習を今に伝える彌和神社に一度訪れてみてほしいです。

参考文献:『若狭遠敷郡誌』『越前若狭の伝説』

基本情報

アクセス
国道27号線からだと、平野交差点(T字交差点)を曲がって、その道(県道219号線)を進むと、山の麓に沿って走り出します。その山の麓沿いにあります。
県道24号線からだと、上野木交差点を北へ行くと、同じ県道219号線の道になるので、あとは上記と同じです。

最寄り駅は、JR小浜線新平野駅から歩いて27分。

バスはないです。(コミュニティーバスで平日のみ片道一日1本ずつ。)

駐車場はありませんが、先に書いた通り、この彌和神社の近くには、観光案内板があります。その案内板の前が、すこし停車できるスペースがあります。車で来る際はここに停めるのが無難だと思います。

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