西福寺裏(原)の「妙華谷横穴墓」はどこだ【敦賀市】

福井県敦賀市松原地区原集落での横穴墳墓探しを行っています。

前回は、集落の南にある「善衆衣谷横穴墓」というのを見つけました。↓

前回は、かなり様々な内容の記事になったので、2回に分けた次第です。

今回探し求めるのは、原集落にあるもう一つ横穴です。この原集落には2つの横穴があるのです。

原集落の「横穴」について

この原集落には、昔は多くの横穴墳墓があったようですが、時代とともにその多くは破壊されてしまったようです。

しかし、その中で原形をとどめている者が2つあって、それが前回の横穴と今回探索する横穴です。

『敦賀郡誌』では

松原村原に八ヶ所。原型を存する者は二ヶ所あり、西福寺裏に三室を有する。

と書かれています。今回探すのはこの、西福寺裏にある横穴です。福井文化財のサイトでは「妙華谷横穴墓」とされています。

西福寺裏といっても、いったいどこにあるのか見当もつきませんし、西福寺内にあったら入れない可能性もあります。

なんとか場所だけでも私が探しあてたいと思います。

まずは聞き取り

とにかく場所がわからない時は、地元の人に聞くのが一番いいです。

今回は始めからその手で行きたいと思います。なぜなら全く見当がつかないからです。

 

集落を歩き回っていると、何名か集まっていたのでその方たちにお話を聞くことができました。

「西福寺の水が流れてきているところがある。その横の道に行くとある」

とのこと。そしてその方は中に入ったこともあるらしく、

「国宝級の物」

ともおっしゃっていました。

 

ちなみにここで前提として、櫛川地区に「穴地蔵古墳」がありますが、この穴地蔵のことを言っているわけではないということは始めに記しておきます。

というのも、櫛川の方にもあるという話もしていましたが、それとはまた別物という形でお話をされていたからです。なので、教えていただいた横穴は確実に西福寺裏の横穴のことなのです。

というわけで、教えていただいた通りの道を進み、水の出ているところを探します。

西福寺裏の横穴

横穴の場所

西福寺正面むかって左の方に道があり、そのさきに水が出ている場所がありました。

右の方に「~命水」という石柱と、水が流れています。そして、その真横に道が続いています。しかもこの先はまさに西福寺裏に続いている感じの道です。

おそらくここの場所であろうと思います。

しかし鎖があって、どうやらいってはいけないような感じですね・・・。

お寺にいた方に話を聞く

念のため、寺の管理の人に尋ねてみました。

すると、なんと少しだけ中の方まで入れてもらえました。

さらにこの横穴についてのお話もお聞きすることができました。

「ここに穴があったらしいですが、調査された時にはもう破壊されて崩れていました。市役所の人も調査に来たんですが、その人たちでも、もう何もわからないような状態でした。」

とのことでした。

なんと・・・、どんなものだったか、今はもうわからなくなっていたのでした・・・。

案内されたそこは、本当に何も言われなかったらただの山肌にしか見えない場所でした。

 

しかし、先ほど集落でお話をお聞きした方によると昔はあったというような話でした。

これはどういうことだ?と思い、私詳しく調べてみました。「今はもうない」で片づけるのは、このサイトとしてはあまりにも虚しいですからね。

 

すると、

大正4年出版『敦賀郡誌』には、この原西福寺の横穴のことがしっかりと記録されていたのです。

しかも、約3ページに亘って。

どんな横穴だったのか

長いので、要所だけまとめます。

 第一に、穴の入口に注目。
 近くの常宮の横穴は、幅2尺(約60センチ)高さ1尺7寸(約56センチ)の道を開き、奥室へ通じる。67尺(約20メートル)の竪穴であるところもある。原西福寺の穴も長さは違えど同じ構造であり珍しく、横穴そのものが何のために作られたのか。この構造は、到底常に出入りするような構造ではない。

 第二に、横穴が複雑な水平垂直の排列構造で、常宮・西福寺の穴は付属の一室を持ち、西福寺裏、字妙華谷の横穴、沓見村字風呂は他に類を見ない三室接続の形をしている。特に西福寺妙華谷の横穴の穴は各室の複雑を極める。

 ただ遺物は現存しない。過去にすでに発掘されたと思われる。現に原村西福寺所蔵の元禄頃の境内古図をみると、横穴ある位置に石材の露出する穴口を書き、当時すでに発見されていた。

参考:『敦賀郡誌』

敦賀郡誌にはもっと詳しく、しかも図付きで説明がなされているので、一度見てみるのもいいと思います。

それにしても、3連に部屋がある横穴なんてあったんですね。そんな珍しいものがここにあって、今はもうない。なんだかもったいない。見てみたかったですが仕方ないですね・・・。

ただ、このような珍しい横穴がこの地にあったということは、資料でも残っていますし、忘れないようにしたいです。

ただここで見る通り、「妙華谷横穴墓」というものであることははっきりします。ここにあったということは見つけられたのでよかったです。

おわりに

ではこれで、原集落の横穴探しはおしまいです。

原集落の防空壕の役割を果たした横穴。
西福寺の他に類を見ない、3室連続の横穴。

どちらとも濃い横穴でした。

こんなにも価値のある横穴がこの福井県敦賀市にあるというのは、とても価値のあることだと思います。今回はそんな良い物を見つけられて紹介できたので良かったのではないでしょうか。

現物を体感することは難しいですが、西福寺など名所もありますし、西福寺に訪れた際にはこの横穴のことも思い出して訪れてみてはいかがでしょうか。

基本情報

最寄り駅は、JR敦賀駅。バスに乗り換え、松原線西福寺バス停で下車。すぐそこです。

駐車場は西福寺にあります。

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