福井県越前市千福の茶臼山麓に大岩があり、その上に碑が立っています。
かつて死人が出たときに棺に入れてこの大岩に置くと、枝村山山腹にあったという極楽三昧にて火葬されていたという場所とされます。
越前市の謎の大岩と、怪しい名前の由来を探ります。
どこにあるのか
場所はすごくわかりにくい所にあり、言葉の説明だけでは難しいのですが、とにかく↑の場所です。
武生の茶臼山の南東の麓。
県道19号線の近くで、焼き肉屋の交差点を山側へ行き、左へ行くとあります。
また、武生方面からは旧道を進んで白山方面へ行く道の途中にあります。
とにかく茶臼山の南です。
そこに、意味深な岩があります。
骨橋と極楽三昧の伝説
骨橋と極楽三昧
骨橋とは、県道広瀬国兼線が武生甲楽城線から分岐するところにある橋で、極楽三昧とは、千福町の枝村山の腰にある。骨橋と道路をはさんで、沢山のふもとに一つの大岩がある。伝えるところでは、死人を棺に納めて、この大岩に置けば、来迎仏の導きで、極楽三昧にいたって火葬せられ、翌朝には白骨となって、この岩の上にあるという。
引用:『うるわしき神山』 『福井県の伝説』『福井県南条郡誌』も同じ内容
「県道広瀬国兼線」と「武生甲楽城線」が今でいうどの道なのかちょっとわかりませんが、とにかく写真に載っていた「骨橋の大岩」はこの場所で間違いないです。
今は大岩の上に名号がかかれた碑が載っています。裏には特に何も書かれていませんでした。
昔は周りのコンクリートの壁もなかったでしょうし、山へ続いていたのかもしれません。
「南無妙法蓮華経」と書かれており、その下にも何か書いてありますが達筆すぎて読めません。
大岩があります。この大岩に昔は棺を置いたのでしょうか。
そして山の上にある極楽三昧で火葬すると。
この話はあくまで伝説なのでわかりませんが、私の推測では…。
まず昔の集落単位火葬においても、村によっては「オンボウ」という火葬を請け負うような人々がいたといいます。
普通なら火葬場、いわゆる「サンマイ」まで野辺送りして、その後に火葬をオンボウに任せるのですが、ここではこの岩まで野辺送りし、そこから千福のオンボウが請け負って山の腰にあるサンマイまで運び火葬。そして遺骨をこの岩に運び収骨した。ということなのかもしれません。
つまるところ、今の火葬場と同じように、「炉前ホール=骨橋の大岩」であり、「極楽三昧=火葬炉」ということなのかもしれません。
そんなことを想像し、葬送関連の伝説にテンション上がっちゃいます。
ところで、「骨橋」というのですから、「橋」があったはずなのですが、今の橋はどう見ても後世の区画整理の川の橋。古くからの骨橋「県道広瀬国兼線が武生甲楽城線から分岐するところにある橋」はどこなのか。少し県道沿いを歩いていくと、ちょうど大きい道が交差している所にお堂がありました。
先ほどの大岩からは少々離れていますが、もしかするとこの辺り?とも思わなくはないです。なんせ「道が分岐する場所」に橋らしきものがあるのがここくらいなので。でもここも思えば区画整理後の橋なのかなぁと謎がぬぐえません。
とにもかくにも、棺を置いた大岩はあの場所で間違いないので、あの場所が「骨橋と極楽三昧」の地ということで良いでしょう。
参考文献
『うるわしき神山』
『福井県の伝説』
『福井県南条郡誌』
基本情報
最寄り駅 | 武生駅からバスに乗り換え馬塚バス停で下車徒歩4分 |
自動車 | 武生ICから10分 |
駐車場 | なし |
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