西福寺の仙人岩伝説 ~天狗と囲碁をさした和尚【敦賀市】

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西福寺

福井県敦賀市の古刹西福寺。観光名所としても有名な大きな寺です。

今回は、このお寺自体のことではなく、このお寺に伝わる伝説を紹介します。

西福寺

西福寺門

伝説を紹介するとはいっても少し、この西福寺さんのことを知っておきましょう。

西福寺は浄土宗鎮西派大原山。本尊は圓光大師。開山は良如。正平二十三年八月十日にこの地を開く。後圓融上皇、後花園天皇、足利義満などの足利将軍家、斯波、朝倉、織田、羽柴など歴史有名人との関りもある。そんなお寺です。

とにかく大きいです。

仙人岩の伝説

 年代も和尚の名もわからないが、西福寺に囲碁の名人と呼ばれた和尚がいた。毎日夜になると、大入道が訪ねてきて囲碁の相手をしていた。いっこうに自分の宿坊を教えないので、和尚は不思議でたまらず、ある日「貴僧の宿坊をたずねたいから連れて賜れ」と何度も繰り返し頼んだ。大入道も今はもういいかと思ったのか、「しからばわが方に負われ、目を閉じたまえ、決して途中で目を開けてはならない」と堅く約束させた。真夜中、歩くのかと思ったら、風当りが空中を飛行しているらしい。しばらくすると到着した。京の山中らしいが入道は何も語らない。2,3日して、和尚は敦賀に帰りたいと言ったので、入道は来た時と同じように肩に取りつかせ、目を閉じさせ出発した。大空を高速で飛行しているようである。和尚はどこを往来しているのか見たくなった。堅い約束はしたが、ひそかに細めを開けてみると、下界は真暗で、その中に波の音が響き、波の穂が白く見え隠れしている。和尚は早速目を閉じた。どうも琵琶湖の上空らしい。そして、大入道は天狗であろう。ほどなく敦賀に着いた。すると大入道は「お前は目を開けたな」とただ一言いい、一睨みして姿を消した。それからは二度と姿を現さなかったという。
 西福寺の後ろの山腹に仙人岩という岩がある。和尚が天狗とこの岩の上で碁をさしたから名付けたという。

 

参考:『越前若狭の伝説』

もしかして、「約束破ったら人間関係壊れるよ」っていう戒めのお話?

大入道って、てっきり妖怪の方かと思っていましたが、単純に「でっかい坊主頭の人」って意味もあるんですね。しかし、その正体は天狗と。なかなか面白い伝説です。

果たしてこの「仙人岩」、現地の西光寺さんには伝わっているのでしょうか

というのを、受付の方にお聞きしたところ、「本当に山の中にあるのだそうです。

まさか驚きです。こういう伝説って意外と外でしか語られていないことがあるので、現地でも伝わっていたとは・・・。

しかしながら、現在その仙人岩へ行く道は無いのだそう。

行けないのは残念ですが、現地に伝わっているという事が知れただけでも良いことです。

仙人岩?

西福寺さんの後ろの山を見てみると、このように大きな岩がいくつか見えます。

もしかしたらこの中のどれかが仙人岩なのかもしれませんね。

現地で語られることの意味

今回、特にこれだといった確証を得られるものはなかったですが、やはり、現地で直接聞いて「手掛かりが見つかる」「しっかり伝わっている」ということの大切さがわかりました。

やはり伝説は、現地で体験してこそですね。

参考文献:『敦賀郡誌』『越前若狭の伝説』

アクセス、駐車場

※マップやアクセスは西福寺内です。仙人岩の場所を示しているわけではありません。

最寄り駅は、北陸本線敦賀駅からバスに乗り換え、松原線から西福寺バス停下車。

無料駐車場があります。

マップへ

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