福井県おおい町名田庄にある道の駅とその敷地隣接で安倍家土御門家に由来して暦会館が立っています。紅葉の初めの時期に行きました。
ここは特に文化を感じられる場所、茅葺屋根の建物もあれば暦の勉強もできるのです。また頭巾山青少年旅行村も隣接しています。そして何より、葬送地の様子も見られるのです。
もし「道の駅名田庄」「暦会館」関連で検索してこのサイトが出てしまった方のうち、「葬送地」に関することが苦手な方は途中まで行ったところで【棚橋集落の葬送地】の項前でブラウザバックを推奨します。当記事は道の駅を取り上げますが、ある意味文化のテーマパークであるということで葬送文化の風景も語ってしまうことになります。いわゆる「葬儀」「土葬地」関係です。
では参ります。
道の駅名田庄
まずはこの施設の顔ともいえる道の駅名田庄。
売店と食堂があります。駐車場もかなり広いです。
食堂の方は自然薯そばという、名田庄特産の自然薯を練り込んだそばが出されています。小さな食堂でしたが、かなり人が入っていました。付近には飲食店もほとんどないですし、名田庄名産売りのものが多いのでやはり人が入るのでしょう。
売店には鹿の角まで売っています。
流星館の公園と頭巾山青少年旅行村紅葉
道の駅と隣接して広い公園があります。
流星館は宿泊施設ともされているようです。その名前は星に関する名前なのですね。名田庄納田終が安倍土御門家と関わりの深いことから、天体観測を行った安倍晴明に因んているのでしょう。
ここに広がる広場は、山の後ろの谷まで広がっており、バーベキュー場やスポーツ施設のグラウンドまであります。頭巾山青少年旅行村と呼ばれているそうです。
さてここが紅葉の美しい場所ですが、取材時の2023年11月12日は数日前の強風で色づいた葉がほぼ落ちてしまっていました。加えて今年の猛暑で紅葉の色づきが悪いようです。
それでも何とか紅葉自体は見られる状態ではあります。
暦会館
こちらも安倍土御門家と関わりの深いことから、道の駅のほぼ敷地内と言っていい場所に暦会館があります。
暦会館というだけあって、「暦」についてのことを詰め込んだ施設となっています。重要な資料、古い文献なども展示されています。また一部撮影可能な部分もあり、写真を撮って情報を持って帰ることもできます。量が多いのでおそらくそこで見ただけではわからないと思います。入館料はあり。場合によっては係員の方に説明もしていただけます。
暦会館の前には、安倍家、安倍晴明つながりで晴明の母である白狐「葛の葉」の句の石碑があります。
安倍土御門をここまで前面に出しているのは良いことです。もっと出して良いと思います。
さてこの暦会館では、「泰山府君」についてのことも学べます。
泰山とはそれは使者の赴く山、死霊の籠る山とする信仰で、そこには人の寿命などが記されている戸籍がある
などという考えでもあります。
私がこれまで葬送文化で見てきた「サンマイ」、いわゆる土葬地や火葬場ですが、俗に「ヤマ」ともいいます。純粋に山の上にあったり、森の中にあったりするのでそう呼ばれているということもあるのかもしれませんが、この「泰山府君」信仰を見た時、サンマイの「ヤマ」とは泰山府君にも通づるのではないかとも思いました。
また人が死んだ後に行く先は、海の向こう、西の果て、空の上、山の向こうなどと言われていますが、そのうちの「山の向こう」という思想にもこの泰山府君がつながって来るのではないかと思いました。
棚橋集落の葬送地
というわけで、前項の「ヤマ」に行きましょう。
実はこの「泰山府君」に繋がるであろう「ヤマ」がすぐ近くにあるのです。
というわけで、墓を見たくない人は次の項目[周辺には土御門家の聖地]まで飛んでください。ここから墓地、サンマイ、土葬地へ行きます。
そうはいってもやはりここで詳しく考察しすぎるのも違っている気もするので、詳しくは[県内各地サンマイ写真(火葬場・土葬地)【福井県の葬送Ⅳ】]の記事に載せることにします。
ここではざっくりと見ていきましょう。
さて、今私がいるのは道の駅の横にある広場です。右下に見えるのが道の駅の建物ですが、その裏山に何やら古めかしい建物が見えますね。
やって来ました。ここまで来るのは一回道の駅の敷地を出なくてはなりません。
で、この建物は何なのか。ただの休憩所ではないのか?と一見そう思いますが、この先に行くためには必ずこの小屋の下を通らなければいけないのです。
明らかに休憩所ではないですね。道の駅側に何かを祀っているであろう扉があります。覗いてもはっきりとは見えませんでしたが、石仏らしきものが置いてありました。
ではこの先には何があるのか。
墓地が広がっているのでした。おそらくあの小屋は「葬礼場」なのでしょう。簡単に言えば最後の別れの儀式をする場所です。
それにしてもなんだか奇妙な配置ですね。
5、6段くらいにわかれていますが、一段ずつ開けて配置されています。はっきりとしたことは不明ですが、郷土史などを参考にしていくと、この謎がわかってきました。
そんなわけで詳細は先ほど見た↓の記事の「納田終棚橋」の項で見ていこうと思います。2023年11月30日夜には載ると思います。追記:載りました。(https://kofukuroman.com/sousou4-sanmai/#toc106)
そんなわけでこういった葬送空間も学べるテーマパークというわけです。
暦会館で「泰山府君」を学んだ後にここに来ると、また少し違った風景になるのではないでしょうか。
まあしかしサンマイは別に観光地でも何でもないので、そんな勧めるところではないですが・・・。
周辺には土御門家の聖地
さてこの納田終は先ほども言いましたが、安倍土御門家の聖地でもあります。
詳しくはまたその土地を取り上げる時に書こうと思っていますが、もともと京都にいた土御門家は応仁の乱の際に京都からこの納田終に来ました。今もその名残が見られるのが納田終の中の白屋という集落です。
道の駅から車で1分。徒歩11分。距離にして800mという非常に近い所に在ります。なので暦・安倍土御門家目的で来られる方は、この白屋の方にも行かれると思います。
ちなみに白屋集落は人身御供伝説もある場所です。
では今回の記事はここまでにします。
また白屋の土御門家については詳しく書こうと思います。
基本情報
最寄り駅 | JR小浜駅からバスに乗り換えホテル流星館下車すぐ |
自動車 | 大飯高浜ICから18分。小浜ICから29分。 |
駐車場 | あり |
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