大神宮船留岩の伝説~小浜の町の奥にある伊勢の神秘の言い伝え【小浜市】

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福井県小浜市青井。ここに大神宮船留の岩と書かれた看板とともに、小浜線の本近くに大岩があります。またの名を「産石」。

この伝説は、このあたりが大昔海であったことを伝える伝説でもあります。

今回はそんな大昔から伝わる伝説と、それを感じることのできる自然の遺物を紹介します。

地理

青井は小浜の町の西端にあります。山の谷の一番奥です。

今ではもちろんそこが海であったという風には見た目ではそう感じられません。

岩があるのは元々は山のふもとにあったものと思われます。

今では、国道27号線と小浜線が通っており、山とは離れているようにも見えます。

伝説

船留岩

 小浜市青井にあり、昔祇園の王孫という者の娘が伊勢の大神宮に詣でて、その神託には『この船に乗って海に浮かびその到り着いたところに住いせよ』とのことで船に乗ったところ、それはこの裏に着いたので娘は熊野山の山腹に上って十二人の子供をその石の上に産んだ。それでこれを船留岩とも産石とも呼び古来安産をこれに祈るものが多かったという。
 またこのへんが鬼灯(ほうづき)谷というのは帆付谷を誤り伝えたといい、とにかくこのあたりが昔の海辺であったことは想像される。
引用:『若狭の伝説』

いろいろとものすごい伝説ですね。

伊勢から船に乗って日本海側の小浜まで流れ着いたということになるのでしょうかね。しかもそこで急に十二人も子供を産むなんて、いったい何者なんだという感じです。

王孫というのは王の子孫ということなのでしょうか。それともそういう名前の人がいたというニュアンスなのでしょうか。そこが曖昧のように見えます。

いずれにしてもものすごい伝説であり神秘の、神をうかがわせる伝説です。そして壮大な大昔の自然を伝える伝説でもあります。

船留岩

説明板も設置してあるのは素晴らしいことです。後世に伝えようとする姿勢がうかがえます。

伝説は伝えてこそですから、こういった取り組みが増えてほしいものです。

現地説明板によると、この岩に舟をつないで上陸したと伝えられるそうで、このあたりまで海であったと考えられる貴重な遺跡であるということです。

今では考えられませんが、やはり昔はかなり陸地は少なかったのですね。

船留岩

岩から木が生えているのがよくわかります。岩を砕かんとするばかりに生命力にあふれています。

これも「産石」というにふさわしい様子でもあるのではないでしょうか。

 

ちなみにこの船留岩の伝説。前回当サイトで紹介した、近くにある神明神社と話がつながっています。

元丹後街道より東の山麓に内宮と俗称する社殿あり、さらに数十間山中に登りて外宮と称する社殿あり、今の街道は昔より十余間東に転じて旧社地を横断し、社殿も合一して元の内宮と称せし地点にあり菊池氏代々祠官にして武田氏以来の名家なりと云う、伝説に曰く昔筑紫に王孫なる者あり、其の女十七才の時霊夢に依って伊勢大神宮に詣で菊池武弘なる者之が供たり、女官中に入りて七日を経て神託なりとて船を海上に浮かべその到着する所を居住の地となさんと云い、風浪に随って漂流し船終に熊野山麓に漂着す、其時䌫を繋ぎしものは即ち船留岩なり、上陸して熊野山に登り白馬の来り告ぐるに依て一石上に至り、十二子を産み伊勢大廟を祀り十二所権現を合せ祀り菊池武弘祠官となる。
引用:『若狭遠敷郡誌』

こう見ると、やはり神の伝説であるというように見受けられます。

このあたりは何か神聖な土地柄なのでしょう。

神秘の伝説、神秘の土地

壮大な大昔の自然を感じられる土地でもあり、神秘的な神の力を感じられる土地でもあります。

今は小浜の町はずれの住宅地の奥にひっそりとありますが、それもまた変に目立たず厳かにこの土地に根ずく伝説のあり方なのでしょう。

これからもこの伝説を伝え続けていってほしいです。

参考文献
『若狭の伝説』
『若狭遠敷郡誌』
現地説明版

基本情報(アクセス)

最寄り駅小浜線小浜駅から徒歩25分
自動車小浜ICから8分
駐車場なし

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