福井県若狭町三方にある御方神社。読み方は「みかた」。地名と同じ読み方です。
三方石観音の参道途中にあり、山の中に鎮座する神社です。この神社の由緒や御祭神、地域の関わりについてみていきます。
御祭神・由緒
祭神:櫛御方命、大山咋命、事代主命、山脇大神
特殊神事:曳山車、太鼓ばやし、樽神輿
『御大典記念福井県神社誌』によると、式内社に比定、若狭国神階記には正五位三方明神とあるという。明治四年小浜藩庁から郷社に、同五年敦賀県から村社に列せられる。大正八年に山脇大神、事代主命、大山咋命が合祀。
『三方町誌』によると、延喜式巻九、巻十内の官弊社であり、当時三方町内にあった神社は大が一座(宇波西神社)、小が五座だったとされ、そのうちの小の一つが「正五位三方明神(別名「郡神」)」だったといいます。
拝殿は変わった形をしています。横から登る階段がついています。
本殿へは横から行きます。
本殿が二つありました。
昔は伊勢式年遷宮にならい、二十年ごとに社殿の改造を行い、荘厳な遷座奉祝を行っていたといいます。(福井県神社誌)
だから社殿が二つあったのですね。
明和九年の灯籠があります。
また神社境内には天高く伸びる巨木が多くあります。神社の荘厳さを表しているかのようです。
境内社
- 神明社(天照皇大神・奥津彦命)
- 大神宮社(神豊受大神)
- 山神社(大山祇命)
私が見落としているだけなのか境内社は一つしかありませんでした。
祭礼と地域
例祭は振興会により、区内の山脇、熊野、八幡神社連携で行われます。
ただしこれは御方神社のみならず、三方町内の4社すべてが当てはまるそうで、明治時代の神社大量合祀の際に意見がまとまらず三方町内には多くの神社が残ったままだそうです。なので、今も三方町振興会が結成され各神社の行事を行っているのだといいます。
「三方」について
この神社が三方町と同じ読み方であり、「三方明神」と呼ばれているというなら名前に関係があるのか。神社が先か地名が先かみたいな話になることもあるかもしれません。
ただ、『若狭の伝説』にはこのように書かれています。
三方の語源
三方(三方)の地名は三方湖によって名付けられらものの如く、三潟とも書く。
古く万葉集にも
若狭なる三方の海の浜清みいゆき帰らひ見れど飽かぬかも
と載せられている。
なお見方は北方とも称せられ、近世には遠敷郡を中郡といい、それを又別けて上中郡、下中郡と称し、大飯郡は西方とも呼ばれた。
引用:『若狭の伝説』
なので、御方神社は語源とは関係ないようです。
参考文献
『御大典記念福井県神社誌』
『三方町誌』
『若狭の伝説』
基本情報
最寄り駅 | 小浜線三方駅から徒歩17分 |
自動車 | 若狭三方ICから3分 |
駐車場 | 三方石観音駐車場 |
この先の三方石観音は福井県内での名所となっています。
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