福井県高浜町若狭和田駅からかつて延びていたという海軍火薬庫への支線をたどります。
かつてはヤードがあり、そこから南西へ延びていたといいます。実際に今でも枕木やレールの跡が残っており、廃線跡も道路で形をとどめています。
資料と空撮地図から歴史
『鉄道友の会 福井支部 わだち No.7』にて記述があります。
それによると、
- 山側にヤードがあった。
- 犬見の機関車の留置線や給水塔が設置されていた。
- 約1km南西へ海軍火薬庫に通じて専用側線が伸びていた。
ということのようです。
実際に昔の空撮には和田駅から延びる線が確認できます。
終点は少し曖昧ですが、おそらく上に記したあたりかと思われます。
廃線跡
和田駅の空き地
若狭和田駅は現在単線です。その南側がだいぶ開いていますが、そこが留置線跡なのでしょう。
この空地が名残であると仮定するならかつての駅の大きさも想像できます。
駅近くの斜めの空き地
若狭和田駅の南西です。三角型になっている空き地がありますが、南西へ延びていた斜めの線路跡がこの空地を作り出したと思われます。
今は跡形もなく草木が生い茂っているのみです。
線路跡は田園から用水へ
現在の線路跡は、北部分が田園として区画整理がされ、形すらも残っていませんが、途中から新しく作られた川が流れています。この川が南から南西へ折れ曲がった部分からが廃線跡のようです。
川沿いは途中川しか沿って歩けません。川沿いを歩ける道+川辺りは間違いなく廃線跡でしょう。
ただし遺構のようなものは残っていませんでした。
農園あたりが終点か?
「いちご」と大きく書かれた農園があります。おそらくこの辺りが終点でしょうか。
空撮を見るとまだ続いているようにも見えなくはないですが、はっきりとはわかりません。
ただし川沿いの道はそれ以降も続きます。
火薬庫ということで、山の裏に隠した可能性もあるのでもう少し行ってみましょう。
枕木や線路
農園の交差点をさらに奥へ進むと、向かって左の山側に枕木らしき木材が多く置かれていました。
さらに進むと小屋があり、その小屋周辺には枕木であろう木材、さらに線路までも置かれていたのです。
この廃材が果して火薬庫への廃線の廃材なのか、もしくは純粋に小浜線で使っていたものの入れ替えた廃材なのか。それはわかりません。
ただし、この火薬庫の廃線跡に残っている鉄道の廃材ということは極めて意味あるような存在であると思います。
火薬庫への廃線の廃材と見て良いと思います。
山の麓の平地
鉄道の廃材が置かれていた小屋よりさらに進むと、山側に木々が茂っていますが、明らかに平地である部分がありました。
さらに先には今も使っていそうな平地。と、その辺りは昔からの田園だったようですが、写真の平地は意味ありげです。
ただ石杭などのこれと断定できる遺構は無く、ここまでが限界であると思われます。
というわけで、若狭にある廃線の一つを紹介させていただきました。
参考文献
『鉄道友の会 福井支部 わだち No.7』
国土地理院空撮
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