福井県小浜市中名田地区深谷に法泉寺という禅宗のお寺があります。このお寺にはとある名前の由来になった伝説が伝わっています。また、裏山にある埋葬地も見ていこうと思います。
法泉寺の伝説と由緒
曹洞宗興禅寺末
本尊は十一面観世音菩薩、脇立に不動明王、毘沙門天
最初にこのお寺を開いたのは長忍有嚴法師という華厳律宗の僧だった。播州中山寺の観世音菩薩を拝請するために自ら十一面の尊像を刻んだ。当時は「西方寺」という名前で華厳律宗であった。場所は堂谷という場所に建てた。後、元久建永の頃に谷田部から行化に来ていた僧が宗派を改め承元三年に山王七社を勧請し護国の道場とし天台宗のお寺となる。次いで、永禄二年西方寺を中平山に移す。この地が甘泉の湧出する地だったことから寺号を「法泉」と改め、真言宗となる。ただこの地で雪により倒壊する。寛文八年に幕府により法泉寺は深谷村の宗判を領す。天瑞圓至和尚の経営を以って曹洞宗になる。後、享保二十年に大洪水に遭い伽藍を失う。後に堂谷口故地に再建し本尊は旧を模して京師が刻んだ。點外愚中禅師を開山とする。
参考:中名田村誌
集落から少し外れた場所にある法泉寺。幹線道路のすぐ近くにあります。趣のある寺標を横に山の上へ階段を上がってゆくと石垣が所々あり、左手に本堂が見えてきます。かなりきれいです。山の中にひっそりとたたずむ歴史あるお寺です。
法泉寺の名前の由来は由緒にあった通り、此処のさらに前の土地、中平山という場所に甘泉が湧出することが由来となっていたのですね。お寺の名前はこうした伝説が由来になっていることも多いので面白いものです。
裏山の埋葬地
お寺の裏山に埋葬地があります。地面が波を打ったり、ボコボコと穴が出来ていますが、そこに埋葬されています。棺が腐食し崩れると同時に地面も埋没するというわけです。見た感じかなりきれいに手入れされているように見えます。埋葬地の上の段には石塔墓があり、埋め墓と参り墓の二つがある両墓制であるということが一目でわかる場所となっています。
以上、お寺の深い歴史、名前の伝説、埋葬地の光景を同時に学べる法泉寺さんでした。
基本情報
自動車 | 小浜ICから15分 |
駐車場 | なし |
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